「世界の貧困をなくすための50の質問」読書ノート

「世界の貧困をなくすための50の質問」読書ノート

ようやく手にしたこの本。
attacのIくんはおつりを持ってなかったので、まだお金は払ってません。

いろいろ面白い記述はいっぱいある。とりわけグレーに網がかかっていて少し読みにくくなっている部分が面白い。買うべき価値はあると思うので、みなさん買ってください、と訳者を知っているぼくはきっぱり言っておこうと思います。(笑)
ジュビリー九州から買うと、「もれなく特製缶バッヂプレゼント!(先着90名迄)」とあります。
http://jubilee.npgo.jp/2006/06/50.html



その上での疑問や問題意識を以下に

====

この間のぼくの疑問は、削減された債務や新たなスキームで得られた開発資金を誰がどのように使うのか、ということ。

それに関連して気になって読んだ問いは以下

Q32 債務帳消しだけで途上国は発展できるのか?
Q40 債務帳消しには条件を付けるべきか?
Q44 債務帳消しでもっとも潤うのは
   現在の独裁政権ではないのか?


また、問いよりも答えの中に興味深い記述があったのは
(選択的にしか読んでないけど)
Q42 債務帳消しは北、特に納税者を貧乏にしてしまうか?
Q43 途上国の発展のための資金はどこから調達するのか?

===

まずは、この問いへの答えに関して
「Q32 債務帳消しだけで途上国は発展できるのか?」

ここの結語は
==
債務帳消しは必要ですが、十分ではありません。そこから始まって、債務から従属へと導くのではない、別の資金調達のメカニズムが打ち立てられる必要があります。そして、さまざまな補完的政策がさまざまな分野で採られることが必要になっています。(Q43参照)

となっていて、Q43の中で、どのように使うのかを記述してある部分を見ると、ここでは
===

「(SAPsを廃絶し)国内市場と食糧安全保障を優先し、域内・大陸内の補完協力体制を追求し、かつベーシック・ヒューマン・ニーズの充足を目的とした政策と置き換える必要があります。」
とあり、

「民営化された戦略的セクターを公共分野に戻す」
「開発の部分的自主規制モデルを採用する」

などの項目があげられている。

以下は「開発の部分的自主規制モデルを採用する」の部分の引用
===
 このタイプの開発を進めるためには、政治的・経済的に統合されたゾーンの創設、内発的発展モデルの出現、国内市場の強化、地域に資金を投入するための地域貯蔵銀行が必要になります(実状はこれと正反対で、2001年、自国が1500億ドルの対外債務に窒息させられそうになっているさなか、豊かなアルゼンチン人は1200億ドルを海外に投資していました)。そして、それらを実現するには、教育と医療の整備、進歩的な税制や他の富の再配分メカニズム、輸出品目の多様化、小作農・自作農の土地の権利をあまねく保障する農地改革、住宅保障をあまねく保障する都市改革などが必要・・・。
===

「このタイプの開発をすすめる」という表現にはひっかかる部分もあるが、このような政策が必要だということは社会運動に参加しているものなら、ほとんど誰もが認める政策だろう。では、これを誰が実現するのか、ということが問題になる。債務の資金や「開発」資金がこのようにちゃんと流れるのであれば問題はない。しかし、なかなかそうはならない。

これに関連して、Q40の「債務帳消しには条件を付けるべきか?」という問いの中では「条件を付すべきかどうかを決定するのは途上国の人々」とあり、それはそれで間違いないと思うのだが、途上国の人々が決定に参与できないことが問題なわけだ。参加型予算配分などもここで紹介されているが、誰がそれを実現するのか、という問題が残る。

これに関しては
Q44 債務帳消しでもっとも潤うのは現在の独裁政権ではないのか?

という部分には、以下のように書かれている。
==
・・・全帳消しの場合、それを決定する国際機関は――現行のものであれ、より民主的に置き換えられたものであれ――いままでにないロジックを採用し、それをさまざまなアクターにも採用させなければなりません。それができれば、途上国のために国民が民主的に運営する国民開発基金を立ち上げることにはなんの困難もないはずです。
  (中略)
 債務が独裁制に利益をもたらしたがゆえに、その帳消しはその政権の正当性に対して根本的な疑問を提起するでしょう。
==
 このいままでにないロジックというのが具体的にどれとどれを指しているのか、ぼくにはわからないし、帳消しが根本的な疑問を提起するにしても、独裁者がその疑問を受け取るとは思えない。自らがその恩恵を受けていたことに平気で知らん顔という以上に、自分こそが被害者だったというように振舞うのが独裁者の独裁者である理由だったりする。
 だから、南の民衆によるコンディショナリティは絶対に必要だと思うのだけれども、それが果たして、存在するのか。それはどのように正当性を持ちえるのかということが大きな問題になる。債務帳消しされた分の資金が内戦を激化させたとならないためのスキームとしては、ここに書いてあるだけではやはり不十分すぎると思う。


書いているうちに眠くなってきたので、今日はここまでとはいうものの、あと15分くらいしか寝れない。
債務については以下で紹介した中村尚司さんの考え方はとても面白い。

「徹底検証 ニッポンのODA」読書ノート(その2)
https://tu-ta.seesaa.net/article/200606article_9.html



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