気候変動の論議に「公正」という観点を!

季刊ピープルズプラン41号に掲載された「気候正義」に関する報道発表。


洞爺湖サミットに向けて、気候変動の話がいろいろなところでされているのだが、このClimate Justice(気候論議に公正を!)という観点が出されることはほとんどない。

ここは正義と訳すよりも公正と訳した方がニュアンスはわかりやすいようにも感じる。



以下は笠原さんの訳のまま、PPに掲載されたものを転載。


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報道発表

気候に関する議論で抜け落ちているものは? 正義!

2007年12月14日


バリ(インドネシア)、2007年12月14日世界中から集まった社会組織や社会運動に属する人びとが、バリで開催された国連気候変動会議の交渉の場や街頭に、社会正義、環境正義、ジェンダー正義のための闘いを持ち込んだ。[注]


活動家たちは、公式会議場の中でも外でも、暮らしと環境をまもるオルタナティヴな政策と実践を要求した。


平行行事、報告会、緊急抗議行動、記者会見などの中で、気候変動問題へのニセの解決策が暴露された。すなわち政府や金融機関、多国籍企業が推進するカーボンオフセット、森林二酸化炭素ガス取引、バイオ燃料などである。


気候変動によって影響をうける地域、先住民、女性、小作農民たちは、気候危機の真の解決策を要求した。政治指導者たちが完全に見逃していた解決策だ。


その真の解決策とは次のものである。

・消費の削減

・北から南への巨額の資金移転。これは、歴史的責任を果たし、南がもつ資源の利用に対する債務である。さらに、気候変動を緩和させる費用を、軍事予算振り分けたり、新規税制を導入したり、債務を帳消するなどの形で捻出しなければならない。

・化石燃料の採掘をやめ、適正エネルギー効率をもち、安全でクリーンな地域主導の再生可能エネルギーのために投資すること。

・先住民の土地に対する権利を実質化し、エネルギー、森林、土地、水に対する民衆の主権を高めること。

・持続可能な家族農業と民衆の食料主権。


国連会議の交渉においては、豊かで産業化された国ぐにが、南の政府に対して二酸化炭素排出削減を要求し、道理に合わない圧力をかけている。それらの国ぐには、大幅な二酸化炭素排出を削減したり、排出削減や気候変動への影響に対応しようとする途上国を支援するなどといった、自らの法的・倫理的義務を果たそうとしない。世界の人びとの大多数が暮らす南の国ぐには、またもや一握りの多くを欲する人びとのために対価を支払わされているのだ。


公式の交渉の惨めな結果に比べ、バリで大きな成功をおさめたのは、気候正義のための多様な世界的運動をつくる気運ができたということだ。


私たちは、闘いを前進させる。議論だけではなく、現場で、そして、街頭に出るのである。今すぐ気候正義を!


【注】

バリに集ったたくさんの社会運動や団体は、Climate Justice Now!(今すぐ気候正義を!)という連合を設立することに同意した。この連合は、気候変動の防止と対応に向けた行動強化するために、参加者が情報交換と協力を強めることを目的としている。正義は気候変動に取り組む上で中心に据えられねばならず、いかなる場合も犠牲にされるべきではない。


この連合の参加団体は以下:

排出権取引ウォッチ Carbon Trade Watch

トランスナショナルインスティチュート Transnational Institute

環境関連センター Center for Environmental Concerns

フォーカスオンザグローバルサウスFocus on the Global South

債務からの自由連合-フィリピン Freedom from Debt Coalition-Philippines

地球の友インターナショナル Friends of the Earth International

ジェンダーと気候変動Gendericc

気候正義に取り組む女性Women for Climate Justice

世界森林連合Global Forest Coalition

世界正義エコプロジェクト Global Justice Ecology Project

グローバリゼーション国際フォーラム International Forum on Globalization

カリカサン環境民衆ネットワークKalikasan ? People’s Network for the Environment (Kalikasan - PNE),

ヴィア・カンペシーナ La Via Campesina

気候正義ダーバングループ Members of the Durban Group for Climate Justice

オイルウォッチ Oilwatch

太平洋先住民環境連合 Pacific Indigenous People Environment Coalition,

アオテアロア/ニュージーランド Aotearoa/New Zealand

持続可能なエネルギー・経済ネットワークSustainable Energy and Economy Network

先住民環境ネットワーク The Indigenous Environmental Network

第三世界ネットワーク Third World Network

インドネシア環境フォーラム WALHI

地球の友インドネシアFriends of the Earth Indonesia

世界熱帯雨林運動 World Rainforest Movement


ウォルデン・ベロー(フォーカスオンザグローバルサウス)Walden Bello Focus on the Global South

ヘンリー・Saragih(ヴィア・カンペシーナ) Henry Saragih La Via Campesina

ジョセフ・Joseph Zacune(地球の友インターナショナル)Friends of the Earth International

タムラ・ギルバートソン(トランスナショナルインスティチュート)Tamra Gilbertson, TNI


[翻訳:笠原 光]


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  • Weblog: 京都議定書の次のステップは何だろう
  • Tracked: 2008-05-27 09:52