「TPPは地域経済も地方自治も破壊する」
このタイトルは下記の講演会のレジュメのタイトル
TPP連続講座に岡田知弘さんが登場!第3回目は10月2日─テーマ「地域経済と地方自治」
http://antitpp.at.webry.info/201209/article_6.html
というのに参加してきた。なかなか興味深かったです。
レジュメのタイトルをこのブログのタイトルにもしました。
「TPPは地域経済も地方自治も破壊する」
この講座でいちばん興味深かったのがレジュメの「一人ひとりの住民の生活を向上させる地域再生に向けた戦略」という部分
レジュメのテキストデータをもらいたかったのだけど、とりあえず抜粋してタイプしてみよう。
~~~
Ⅳ 一人ひとりの住民の生活を向上させる地域再生に向けた戦略
1)中央政府レベルでの野放図な国際化、構造改革政策、規制緩和政策の根本的見直し
・多国籍企業の利益を優先するのではなく、、地域経済の担い手である中小企業や農林漁業家、協同組合を重視した政策を
2)「地域が豊かになる」とは、住民一人ひとりの生活が維持され向上すること。
・立派な道路や建物ができたとしても、また雇用効果の少ないハイテク工場が立地したとしても、そこで住民が住み続けることができなくなれば、地域の「活性化」とはいえない。
・地域発展の決定的要素→「地域内再投資力」の量的質的形成。地域内にある経済主体(企業、商店、農家、協同組合、NPO、そして地方自治体)が、毎年、地域に再投資を繰り返すことで、そこに仕事と所得が生まれ、生活が維持、拡大される。その再投資規模(量)、個性的な産業、地域景観づくり(質)をいかに高めるかが問われる。
・地域産業の維持・拡大を通して、住民一人ひとりの生活の営みや地方自治体の税源が保障される。→地域経済の自律性の向上が、財政力の強化につながる。
3)グローバル競争に左右されない個性あふれる地域産業と地域社会の再構築
・地域内での産業連関の強化⇔既存の連関を根こそぎ破壊するグローバル化
生産から消費にいたる地域内産業連関=地域内産業循環の意識的再形成
・地域の資源を徹底的に調査し、それを結合した新たな産業づくり
・産業振興と生活・福祉・景観・環境、国土保全政策との総合的リンケージ(結合)
年金を含む所得の域内循環と経営維持、地域社会、景観形成の相互連関、エコロジーを重視した循環型地域社会づくり
・行政と地元企業、住民との協同による地域づくりの必要性
その核として注目される中小企業振興基本条例(全国90近くの自治体で制定)と公契約条例(全国6自治体で制定) ⇔TPP路線
~~~~~~
ここの最後に引用した中小企業振興基本条例と公契約条例のセットというのが興味深くて、これを紹介したくて、ここまで長々とタイプしてみた。
中小企業振興条例単独では実効性は薄くても公契約条例などと組み合わせることで、実効性のあるものができるという。
岡田さんの「成長戦略」という感じの成長志向には違和感もあるけど、脱成長派のぼくもこういうことって、けっこう大事なんじゃないかと思う。
そして、講座終了後の飲み会で岡田さんが、古い京都府知事の蜷川さんの政策が先進的だったとほめていたのを思い出した。かれは京都府のメインバンクを京都ローカルの銀行に変えたそうだ。例えば、大田区でもメインバンクをいくつかある地元の信用金庫や信用組合に変えたらいいんじゃないだろうか。
そして、この中小企業振興基本条例のいちばんいい例として、千葉県のものがあるらしい。県のすべての部局が中小企業振興を念頭に置かなければならないという条項があるとか
ついでだから、レジュメから「おわりに」の部分も少し抜粋してみよう。
~~~~
1、新自由主義グローバリズムの中で、一部大企業の短期的な「経済性」・効率性を第一にするのか、あるいは自然との共生による一人ひとりの人生を大切にした持続可能な地域・日本をつくるのかという対立が燎原の火のように広がる。
★全世界のあらゆる地域化から、国、世界を変える
「99%運動」の世界史的意味
2、人間の命、基本的人権を、地域の個性に合わせて守り、発展させる。
5、運動の質の変化と必要性 個別問題対応型から地域づくり型へ
現代とは、人間らしい地域生活を主体的に再構築していくための試練の時代
地域、日本、地球の持続的発展のための創造的運動を
6、そのためにも、地域を知り、科学的に将来を見通せる学習・調査・研究・政策活動が不可欠。「まち研」のすすめ。
(レジュメを抜粋したところ以外は、ほとんど飲み会のときの話をいいかげんな記憶で書いていて、間違いもあるかも)
ここで飛ばした3と4で地方自治体の役割の重要性と地方自治のための市民の自治力、住民主権主義を強調している。上記の中小企業振興条例や公契約条例政策と自治体基本条例( https://tu-ta.seesaa.net/article/201201article_5.html で簡単に紹介した) を組み合わせて展開することが必要なのかもしれないと思った。
P.S.
そういえば、この自治体基本条例だが、
自民党は反対している。
http://www.jimin.jp/policy/pamphlet/pdf/jichikihonjyourei_01.pdf
これがひどい内容なのだが、人々の声を行政に取り入れ、民主主義を深化させるという本質的な部分には触れないで、自治労が進めようとしているからだめとかいう代物。ほんとうに自民党は終わっているという感じだ。
TPP連続講座に岡田知弘さんが登場!第3回目は10月2日─テーマ「地域経済と地方自治」
http://antitpp.at.webry.info/201209/article_6.html
というのに参加してきた。なかなか興味深かったです。
レジュメのタイトルをこのブログのタイトルにもしました。
「TPPは地域経済も地方自治も破壊する」
この講座でいちばん興味深かったのがレジュメの「一人ひとりの住民の生活を向上させる地域再生に向けた戦略」という部分
レジュメのテキストデータをもらいたかったのだけど、とりあえず抜粋してタイプしてみよう。
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Ⅳ 一人ひとりの住民の生活を向上させる地域再生に向けた戦略
1)中央政府レベルでの野放図な国際化、構造改革政策、規制緩和政策の根本的見直し
・多国籍企業の利益を優先するのではなく、、地域経済の担い手である中小企業や農林漁業家、協同組合を重視した政策を
2)「地域が豊かになる」とは、住民一人ひとりの生活が維持され向上すること。
・立派な道路や建物ができたとしても、また雇用効果の少ないハイテク工場が立地したとしても、そこで住民が住み続けることができなくなれば、地域の「活性化」とはいえない。
・地域発展の決定的要素→「地域内再投資力」の量的質的形成。地域内にある経済主体(企業、商店、農家、協同組合、NPO、そして地方自治体)が、毎年、地域に再投資を繰り返すことで、そこに仕事と所得が生まれ、生活が維持、拡大される。その再投資規模(量)、個性的な産業、地域景観づくり(質)をいかに高めるかが問われる。
・地域産業の維持・拡大を通して、住民一人ひとりの生活の営みや地方自治体の税源が保障される。→地域経済の自律性の向上が、財政力の強化につながる。
3)グローバル競争に左右されない個性あふれる地域産業と地域社会の再構築
・地域内での産業連関の強化⇔既存の連関を根こそぎ破壊するグローバル化
生産から消費にいたる地域内産業連関=地域内産業循環の意識的再形成
・地域の資源を徹底的に調査し、それを結合した新たな産業づくり
・産業振興と生活・福祉・景観・環境、国土保全政策との総合的リンケージ(結合)
年金を含む所得の域内循環と経営維持、地域社会、景観形成の相互連関、エコロジーを重視した循環型地域社会づくり
・行政と地元企業、住民との協同による地域づくりの必要性
その核として注目される中小企業振興基本条例(全国90近くの自治体で制定)と公契約条例(全国6自治体で制定) ⇔TPP路線
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ここの最後に引用した中小企業振興基本条例と公契約条例のセットというのが興味深くて、これを紹介したくて、ここまで長々とタイプしてみた。
中小企業振興条例単独では実効性は薄くても公契約条例などと組み合わせることで、実効性のあるものができるという。
岡田さんの「成長戦略」という感じの成長志向には違和感もあるけど、脱成長派のぼくもこういうことって、けっこう大事なんじゃないかと思う。
そして、講座終了後の飲み会で岡田さんが、古い京都府知事の蜷川さんの政策が先進的だったとほめていたのを思い出した。かれは京都府のメインバンクを京都ローカルの銀行に変えたそうだ。例えば、大田区でもメインバンクをいくつかある地元の信用金庫や信用組合に変えたらいいんじゃないだろうか。
そして、この中小企業振興基本条例のいちばんいい例として、千葉県のものがあるらしい。県のすべての部局が中小企業振興を念頭に置かなければならないという条項があるとか
ついでだから、レジュメから「おわりに」の部分も少し抜粋してみよう。
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1、新自由主義グローバリズムの中で、一部大企業の短期的な「経済性」・効率性を第一にするのか、あるいは自然との共生による一人ひとりの人生を大切にした持続可能な地域・日本をつくるのかという対立が燎原の火のように広がる。
★全世界のあらゆる地域化から、国、世界を変える
「99%運動」の世界史的意味
2、人間の命、基本的人権を、地域の個性に合わせて守り、発展させる。
5、運動の質の変化と必要性 個別問題対応型から地域づくり型へ
現代とは、人間らしい地域生活を主体的に再構築していくための試練の時代
地域、日本、地球の持続的発展のための創造的運動を
6、そのためにも、地域を知り、科学的に将来を見通せる学習・調査・研究・政策活動が不可欠。「まち研」のすすめ。
(レジュメを抜粋したところ以外は、ほとんど飲み会のときの話をいいかげんな記憶で書いていて、間違いもあるかも)
ここで飛ばした3と4で地方自治体の役割の重要性と地方自治のための市民の自治力、住民主権主義を強調している。上記の中小企業振興条例や公契約条例政策と自治体基本条例( https://tu-ta.seesaa.net/article/201201article_5.html で簡単に紹介した) を組み合わせて展開することが必要なのかもしれないと思った。
P.S.
そういえば、この自治体基本条例だが、
自民党は反対している。
http://www.jimin.jp/policy/pamphlet/pdf/jichikihonjyourei_01.pdf
これがひどい内容なのだが、人々の声を行政に取り入れ、民主主義を深化させるという本質的な部分には触れないで、自治労が進めようとしているからだめとかいう代物。ほんとうに自民党は終わっているという感じだ。
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