『なぜ日本は没落するか』メモ
2018年6月に読んだ本だが、ブログにメモがなく、読書メーターに少しだけ残っていたので、こっちに記録。
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岩波書店のHPから
https://www.iwanami.co.jp/book/b256454.html
ここに
以下、読書メーターに残っていたもの
日本が没落していることのいくつかはここで説明されており、これからも浮かび上がりそうにないということが理解できる本になっている。このときより、政治の状況はさらに酷いものになっているし。
「はしがき」の結語で著者の森嶋はアジア共同体を拒否し没落を甘受するか、受諾し前向きに進むのかと問題を立てる。そこに生き残りの可能性をかけるという選択肢はあるかもしれないが、同時に、没落しても人々が苦しまないキューバのような方向を求めるという方法もあるのではないか?
「現在の日本は、至るところの部門で精神的に崩壊し…こういう人に「頑張れ」と言っても無理である」35p
著者は現代の女子高生が欲しいものを手に入れるために簡単に売春に走る(47p)と書くのだが、ほんとうにそうなのか?
「あまりにも物質的な教育がなされている」(48p)というのは事実だろうが、だからと言って、日本の若者たちは「愛」を知らない、とまで言ってしまうのは言い過ぎだろう。
東アジア共同体を提唱する著者。しかし、そんなアイデアは日本の政治家には採用されないだろうと完全に悲観している。そういえば、民主党政権が誕生したとき、鳩山元首相はそんなことを言っていたはず。しかし、全方向からの圧力ですぐに消されてしまった。あのとき、社会運動も鳩山政権を責めていたのだが、それでよかったのかどうか?
繰り返し書かれるのは、日本人が社会正義にも政治にも関心がなく投票にさえ行かない。そんな国で民主主義など育つはずもないという手厳しい指摘(115p)。どこかに希望はないのか?
当時の「新しい歴史教科書をつくる会」などの右派勢力について、著者は以下のように批判する
こういう危機感、保守の政治家こそが持つべきなのではないかと思うが、この問題を正視できる保守の政治家、ほとんどいないのではないか?
また同様に、野党の政治家もこの危機感が欠如している面がないだろうか?
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岩波書店のHPから
https://www.iwanami.co.jp/book/b256454.html
この本の内容
このままだと日本は必ず没落する…….1999年に刊行された本書は,2050年を見据えて書かれているが,驚くほど現在の日本の現実を予見している.なぜそうなるのか,日本人の精神性と日本の金融,産業,教育の荒廃状況を舌鋒鋭く指摘し,その救済案「東北アジア共同体構想」を示し,救済案への障害となるものをも示す.(解説=中村達也)
編集部からのメッセージ
「日本はいま危険な状態にある」――1990年代末,2050年の日本を「没落する」と予言したのが,本書である.なぜそうなるのか.著者は次のように書いている.「マルクスは経済が社会の土台であると考えるが,私は人間が土台だと考える.経済は人間という土台の上に建てられた上部構造にすぎない.それ故,将来の社会を予測する場合,まず土台の人間が予想時点までの間にどのように量的,質的に変化するかを考え,予想時点での人口を土台としてどのような上部構造――私の考えでは経済も上部構造の一つである――が構築できるかを考えるべきである.」つまり,当時の13歳から18歳の人を見れば,50年後の政財界のトップがどうなっているかがわかる,というのである.これについての著者の見通しはまことに悲観的である.著者は,日本の戦後教育の問題点を厳しく指摘する.「日本は,底辺からよりもむしろ頂点から崩れていく危険が大きいが,そういう事態は,現在の学生や子供たちが社会のトップになった二一世紀中頃にやってくるであろう.」
また,著者はこうした教育問題へのなみなみならぬ関心を示すとともに,日本の産業体制,金融体制についても厳しい批判の眼を向ける.
今,少なくとも日本の世界の中での政治的・経済的地位の「没落」は現実のものとなりつつある.著者は「ただ一つの救済案」として,「東北アジア共同体」案を唱えているが,左右両翼からの批判があるなか,はたしてうまく実現するだろうか.そのためには,中国・韓国などとの歴史の共同理解がまず必要である,と著者はいう.
11年前に書かれた本ではあるが,日本の現在・将来を見通し,今後どうしていくべきかを考えるために,いま一度読まれるべき本ではないだろうか.
(2010年7月)
*本書は,1999年3月,岩波書店より刊行されました.
ここに
「日本は,底辺からよりもむしろ頂点から崩れていく危険が大きいが,そういう事態は,現在の学生や子供たちが社会のトップになった二一世紀中頃にやってくるであろう.」とあるのだが、昨今の記録の改ざんや統計の偽装などを見ていると、中頃を待たずに、この危機は来ているのではないかと思える。著者がいま生きていたら、その崩壊の速度の加速をどう言っていただろう。
目次
はしがき
第一章 予想の方法論
私の「日本没落論」の始まり/私の方法論
第二章 人口の分裂
人口の長期予測/戦後の教育改革の影響/教育の役割――デュルケームの規定/一九九〇年代初めが重要な理由/社会変動に不感症の悲劇
第三章 精神の荒廃
エリート主義の欠如――覇気のない日本人/職業倫理の頽廃――イデオロギーの空白/寛容がもたらした思想的分裂/最近の日本での経験/二〇五〇年の土台/パレート的社会分析――ウェーバーとシュンペーター/活力なき土台
第四章 金融の荒廃
日本の破綻の原因/日本人の土地渇望と土地崇拝/土地バブルの背景/最悪の経営学――ノルマ商法/日本版ビッグ・バン
第五章 産業の荒廃
金融と産業の連動/日本的「仲良しクラブ制」/戦後産業体制の堕落/政治的イノベーションの欠如/破壊した経済体制の復修/昭和大恐慌での一私人の経験/なぜ九〇年代に行き詰まったか
第六章 教育の荒廃
進学率と高等教育の質/もう一つの難問――高学歴化/私の教育改革案/これで日本は立直れるか
第七章 ただ一つの救済案
歴史の共同理解の必要/東北アジア共同体案
第八章 救済案への障害
「実録,東条英機」/正義の戦いであったという悪夢/日本とはどういう国なんだろう/独自の日本史はありうるか/歴史の車輪を逆転させるな
付記 社会科学の暗黒分野
解説 中村達也
以下、読書メーターに残っていたもの
日本が没落していることのいくつかはここで説明されており、これからも浮かび上がりそうにないということが理解できる本になっている。このときより、政治の状況はさらに酷いものになっているし。
「はしがき」の結語で著者の森嶋はアジア共同体を拒否し没落を甘受するか、受諾し前向きに進むのかと問題を立てる。そこに生き残りの可能性をかけるという選択肢はあるかもしれないが、同時に、没落しても人々が苦しまないキューバのような方向を求めるという方法もあるのではないか?
「現在の日本は、至るところの部門で精神的に崩壊し…こういう人に「頑張れ」と言っても無理である」35p
著者は現代の女子高生が欲しいものを手に入れるために簡単に売春に走る(47p)と書くのだが、ほんとうにそうなのか?
「あまりにも物質的な教育がなされている」(48p)というのは事実だろうが、だからと言って、日本の若者たちは「愛」を知らない、とまで言ってしまうのは言い過ぎだろう。
東アジア共同体を提唱する著者。しかし、そんなアイデアは日本の政治家には採用されないだろうと完全に悲観している。そういえば、民主党政権が誕生したとき、鳩山元首相はそんなことを言っていたはず。しかし、全方向からの圧力ですぐに消されてしまった。あのとき、社会運動も鳩山政権を責めていたのだが、それでよかったのかどうか?
繰り返し書かれるのは、日本人が社会正義にも政治にも関心がなく投票にさえ行かない。そんな国で民主主義など育つはずもないという手厳しい指摘(115p)。どこかに希望はないのか?
当時の「新しい歴史教科書をつくる会」などの右派勢力について、著者は以下のように批判する
。【過去に自分たちの親や曽祖父が犯した過ちにこだわって、自らも歴史の進む方向の逆向きに行動…。歴史は方向性を持っている。歴史を学んでそのことを知るのが、歴史から学ぶことである。こういう歴史の学ばせ方をしない「新しい歴史教科書をつくる会」は間違っている。】安倍首相がそんな奴だからなぁ
こういう危機感、保守の政治家こそが持つべきなのではないかと思うが、この問題を正視できる保守の政治家、ほとんどいないのではないか?
また同様に、野党の政治家もこの危機感が欠如している面がないだろうか?
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