今井英男さんの思い出(櫻井ブックレットが出来るまで)
ブログの下書きに、以下の原稿が残っていました。どこに書いた原稿だったか、覚えていないのだけれども・・。
と思って探したら、おおたジャーナルのHPに完全な原稿が残っていましたが、こっちに校正前の原稿も残しておきます。
https://aoisora.org/oj-hiroba/201312/201312imai.html
今井英男さんに関しては2013年8月の「おおたジャーナル」に追悼記事が残っています。
https://aoisora.org/oj-hiroba/201308/imai.html
ここで作成したブックレットの書影などは
https://gakouanzen-network.com/info/
で、下のほうにでてきます。
また、ブックレットに関しては東洋経済の以下の記事
https://toyokeizai.net/articles/-/81377
の最後のページでも紹介されています。
~~~
大田区の元教育委員長の櫻井光政さんの講演記録のブックレット作成が今井さんの最後の仕事になったといえると思います。講演の記録の最後の打ち合わせをしたのが、今井さんが亡くなる二日前の土曜日でした。そこでほぼ作業は終了し、これから印刷に向かうという段階でした。
翌日は「公正な教科書採択を求める大田区民の会」(以下、教科書大田区民の会)の例会だったのですが、ぼくは前の用事(といっても遊びなのですが)が長引き、今井さんに「今日は出席できません」と電話で伝えて、いつものように「わかった」と言われて電話を切りました。今井さんが亡くなったのはその翌日の朝でした。忌野さんじゃないけれども、悪い予感のかけらもありません。火曜日、その教科書の会の世話人会のあと、今井さんの家で動かない今井さんを見ても、なかなか事実を受け止めることができずにいました。ともあれ、残った2名の編集担当(ぼくと野口さん)で、といっても実務は野口さんにまかせて、少しだけ残った部分を仕上げ、印刷しできたのがこのブックレットです。
昨年5月20日に行われた櫻井さんの「教科書採択にあたって私が考えたこと」という講演がとてもよかったので、ブックレットを作ろうという話を教科書大田区民の会で言いだしたのは、もしかしたらぼくかもしれないと思います。そして、夏休み期間に藤原進さんにテープ起こしをお願いして、ブックレットの作成作業は開始しました。テープ起こしを分担してリライトし、櫻井さんに赤字を入れてもらって、何度か体裁を相談し、今井さんが一太郎で組版しました。
ブックレットはぜひ読んで欲しいのですが、その櫻井さんは講演で、基本的には帝国書院と育鵬社の教科書を比べる形で(一部で他社の教科書の優れた部分も引用しながら、具体的に、21点の例をあげて、なぜ育鵬社の記述ではダメなのかということが、すごくわかりやすい形で提起してくれました。ひとつだけ例をあげると、「オムシャ」という松前藩とアイヌの人たちの交易の場面で、両方の教科書に出ている写真を示して、その文章とともにアイヌへの搾取の構造を見えにくくする育鵬社の挿絵の使い方が俎上にあげられています。教科書の画像を示しながらの講演だったので、ブックレット化に手間取った部分はあるのですが、教科書からの引用の写真を入れて、読みやすいブックレットができたと自負しています。
そして、このブックレットの最後に櫻井さんは「ブックレットの発行に際して」のなかで、すごく控えめに以下のように締めくくります。
「他方、採択された教科書は、愛国心と自尊感情に配慮した作りになっていましたが、そのあまりナショナリズムの歯止めとなる力が弱いように感じました。
最近近隣諸国でのナショナリズムの高揚を感じます。これに対しては冷静な対応こそが望まれるのであって、わが国がナショナリズムの高揚をもってこれに対抗するのは賢明な態度ではありません。近隣諸国を侵略した過去を持つわが国であれば、誠実かつ忍耐強く平和への努力を続けることこそが、現代を生きる日本人の誇りとすべきことだという視点が特に重要な時代になって来ているように思います。」
ぜひ、購入して読んでください。
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ただ、このブックレットはもう残っていないかも。
と思って探したら、おおたジャーナルのHPに完全な原稿が残っていましたが、こっちに校正前の原稿も残しておきます。
https://aoisora.org/oj-hiroba/201312/201312imai.html
今井英男さんに関しては2013年8月の「おおたジャーナル」に追悼記事が残っています。
https://aoisora.org/oj-hiroba/201308/imai.html
ここで作成したブックレットの書影などは
https://gakouanzen-network.com/info/
で、下のほうにでてきます。
また、ブックレットに関しては東洋経済の以下の記事
https://toyokeizai.net/articles/-/81377
の最後のページでも紹介されています。
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大田区の元教育委員長の櫻井光政さんの講演記録のブックレット作成が今井さんの最後の仕事になったといえると思います。講演の記録の最後の打ち合わせをしたのが、今井さんが亡くなる二日前の土曜日でした。そこでほぼ作業は終了し、これから印刷に向かうという段階でした。
翌日は「公正な教科書採択を求める大田区民の会」(以下、教科書大田区民の会)の例会だったのですが、ぼくは前の用事(といっても遊びなのですが)が長引き、今井さんに「今日は出席できません」と電話で伝えて、いつものように「わかった」と言われて電話を切りました。今井さんが亡くなったのはその翌日の朝でした。忌野さんじゃないけれども、悪い予感のかけらもありません。火曜日、その教科書の会の世話人会のあと、今井さんの家で動かない今井さんを見ても、なかなか事実を受け止めることができずにいました。ともあれ、残った2名の編集担当(ぼくと野口さん)で、といっても実務は野口さんにまかせて、少しだけ残った部分を仕上げ、印刷しできたのがこのブックレットです。
昨年5月20日に行われた櫻井さんの「教科書採択にあたって私が考えたこと」という講演がとてもよかったので、ブックレットを作ろうという話を教科書大田区民の会で言いだしたのは、もしかしたらぼくかもしれないと思います。そして、夏休み期間に藤原進さんにテープ起こしをお願いして、ブックレットの作成作業は開始しました。テープ起こしを分担してリライトし、櫻井さんに赤字を入れてもらって、何度か体裁を相談し、今井さんが一太郎で組版しました。
ブックレットはぜひ読んで欲しいのですが、その櫻井さんは講演で、基本的には帝国書院と育鵬社の教科書を比べる形で(一部で他社の教科書の優れた部分も引用しながら、具体的に、21点の例をあげて、なぜ育鵬社の記述ではダメなのかということが、すごくわかりやすい形で提起してくれました。ひとつだけ例をあげると、「オムシャ」という松前藩とアイヌの人たちの交易の場面で、両方の教科書に出ている写真を示して、その文章とともにアイヌへの搾取の構造を見えにくくする育鵬社の挿絵の使い方が俎上にあげられています。教科書の画像を示しながらの講演だったので、ブックレット化に手間取った部分はあるのですが、教科書からの引用の写真を入れて、読みやすいブックレットができたと自負しています。
そして、このブックレットの最後に櫻井さんは「ブックレットの発行に際して」のなかで、すごく控えめに以下のように締めくくります。
「他方、採択された教科書は、愛国心と自尊感情に配慮した作りになっていましたが、そのあまりナショナリズムの歯止めとなる力が弱いように感じました。
最近近隣諸国でのナショナリズムの高揚を感じます。これに対しては冷静な対応こそが望まれるのであって、わが国がナショナリズムの高揚をもってこれに対抗するのは賢明な態度ではありません。近隣諸国を侵略した過去を持つわが国であれば、誠実かつ忍耐強く平和への努力を続けることこそが、現代を生きる日本人の誇りとすべきことだという視点が特に重要な時代になって来ているように思います。」
ぜひ、購入して読んでください。
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ただ、このブックレットはもう残っていないかも。
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