風雷社中の挑戦と支援の一般化(ガイドヘルパー講習のためのクラウドファンディングの開始に)
風雷社中の挑戦と支援の一般化
ガイドヘルパー講習のためのクラウドファンディングの開始に寄せて
風雷社中がクラウドファンディングを始めた。
地域のシニアに、低価格の【ガイドヘルパー養成研修】を開講したい!
https://camp-fire.jp/projects/view/204416
上記のサイトに、どうしてそれが必要なのかについて、けっこう長い説明があります。
風雷社中は【「障害のある人が、街に出て」来ること】が
【「『僕ら』ってのは障害のない人のかたまりだ」と思い、障害のない人だけの為の街を平気で作ってしまう】そんな【間違った街であり続けないために、とっても大切なことなんだ】と主張します。
大田区にはそれなりにガイドヘルパーがいて、とりわけぼくの活動範囲に多いのか、いっしょに歩いているのを見かけることも少なくないです。もっともっとそれを広げるべき、ガイドヘルパーがいないから外出できないっていう状況を減らすべきだという主張であり、ぼくも同感です。
それは、いままで家族と施設職員との関係しかなかった障害者に新しい視野を与えることもあるように思います。まあ、ガイドヘルパーも支援者であることは間違いないのですが、外に出ることで、支援者以外との出会いも増えるし、そこからいままで知らなかった世界と出会う可能性もあります。
そして、移動支援の先にある暮らしのありかたにも目を向けたいとぼくは思うのです。
渡邊琢さんは「移動支援」について「介助者たちはどう生きていくのか」の中で、その意義などが書いた後で、
「意義はおさえつつも、一つ覚えておかないといけないのは、ガイドヘルプは、結局は余暇的なヘルプ利用でしかない、ということだ」と、あえて書いています。
平日は家族による介護で、結局、親元に住んでガイドヘルブだけ頼んでいる状態では、家族に限界が来たとき、施設に入らざるを得なくなる。ガイヘルの需要は多いが、さしあたりは家族介護を前提とした制度なので、充実したホームヘルプ制度が必要だというのが渡邉さんは主張します。
確かにその利用の多くは、普段は、家族介護か、GHで生活している人による利用でしょう。そして、もちろん「充実したホームヘルプ制度が必要」なのです。しかし、家族以外の人にガイヘルを依頼して、外出するのは「充実したホームヘルプ制度」を使うステップにもなりえるのではないかと思います。家族のレスパイトとしてのその利用も大切だと思うのですが、さらにそこから、外出支援を家を出ることにつなげることが可能なのではないか、と個人的には思っています。
風雷社中が主張する「支援の一般化」について
このキャンプファイアーの紹介には以下のように書かれています。
(3)ガイドヘルパー不足を解消するための取り組み
私たち風雷社中は、「支援の一般化」をめざしています。障害のある人と街を架橋するガイドヘルパーには、むしろ、これまで障害者と接したことがない方にこそ、担っていただきたいと思っています。
これが風雷社中の主張なのか、代表の中村さんの主張なのか微妙な部分もあると思うのですが、ぼくは以前から中村さんから聞いていた主張です。しかし、残念ながら、現状では「支援の一般化」でグーグル検索しても、中村さん(風雷社中?)の主張は最初の方にはでてきません。これがなにかと言えば、「支援の専門性」に対抗する概念でもあります。障害者の支援には専門知識や資格が必須なのではなく、人と人が共に生きるマナーさえ身につけていれば支援者になることは可能だという話です(とぼくは中村さんの話を聞いて、解釈しました)。
もちろん、専門性が必要な支援があることは否定できないのですが、ほとんどの場面で専門性はほとんど役に立ちません。そんな教科書に書いてあるような専門性なんかより、人間としての深さとか、他人の痛みに共感できる能力のほうが問われるというのは、その通りだと、ぼくも思います。
ただ、現在の法律では普通に街のおじさんたちが支援にかかわっても、移動支援の費用は行政から補償されません。 そして、専門性というかどうか微妙ですが、障害のある人たちと一緒に時間を過ごすために知っておいたほうがいいことはあります。だからこそ、街のシニアのおじさんたちが気軽に支援者なるための講座が必要とされているのです。
ガイドヘルパー講習の費用を誰が負担すべきか、
というのも大切な話だと思います。この話を風雷社中の中村さんがフェイスブックに書いています。
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=3267142729997167&id=100001044161382
以下、そこから引用します。
研修実施の為のコストをとこが負担する事が妥当な研修なのか?って事があります。
僕は公的事業である、障害のある人のガイドヘルプ事業(移動支援事業)の担い手であるガイドヘルパー養成研修のコストは国や自治体が【ガイドヘルパーの人数が充分になるまで】負担するべきだと思っています。
そうあるべきだよねって呼びかけも、小さな声ではありますが、関係する自治体にしてきたつもりです。
でも、自治体を動かすコストと時間がそうそう割けないなか、風雷社中では共同募金の支援を受け、また法人の持ち出しで実施してきました。法人の持ち出しでは経営的にヤバいくらいやったと思います。
だからこそ、本来はありえない少額で講師を引き受けてくれた素晴らしい講師陣、会場確保など等、様々な形で地域の支えを得られたのだと思います。
その通りだと思います。
それをなぜ、クラウドでやるのか、という話は以下です。
ひとつはそれを行政がやるのを待っていられないからであり(って、どこかに書いてありました)
その上で、以下のように書かれています。
しかし自治体も国も「ガイドヘルパーが足りない」って知っていながら、充分な予算措置をしないでいる。
そこに税金を投入してくれないならクラウドファンディングを通して社会全体に負担を求めるって選択なのです。
税金と違い、クラウドファンディングは「善意ある人たち」が課題解決の為の持ち寄りをする仕組みですが、税金投入がされない中、一番良い方法なのだと思っています。
クラウドファンディングで養成研修がやれるようになった時に、自治体や国が負担をしなくていいって事ではないです。小さな取り組みではありますが、このクラウドファンディングで資金が集まるって事は、多くの市民が「この取り組みは社会で支えるべきだ」って意思表明をしてくれたって事だと思います。クラウドファンディングに集結した市民の意思を自治体や国がコストを担うべきだって根拠にしていく必要があると僕は考えています
で、
次の大田区主催のガイドヘルパー講習とつなげるためにも、ぜひ、このクラウドファンディングを成功させねばと思うのでした。
参考URL
支援の一般化について、改めて少しだけ(^O^)
http://fuu-rai.blogspot.com/2014/11/o.html
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