『新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議 報告(素案)』に関する意見

一木 玲子さんから、以下の案内をもらったのでぼくも7つの意見を書いて送りました。
明日(12月14日)が締め切りで、明日、必着となっています。

最初に一木さんからの呼びかけを転載
皆さま  
文部科学省が取りまとめた報告「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」のパブコメが来週月曜日までです。公的な意見表明の機会ですので、ぜひ一言でも送ってください。報告をおかしいと思っている人がいるという事を示すための唯一の公的な方法です。
報告を読むと、「新しい時代」とは名ばかりで、今の分離教育を前提とした特別支援教育体制をさらに充実させるだけのものです。原則普通学級で学ぶインクルーシブ教育に転換することは書かれていません。これでは、今進んでいる分離教育ががさらに進むと確信します。
取り急ぎ、意見を9つ書きました。
他にも突っ込みどころは満載なのですが、最低限にしました。
大枠として、障害者権利条約のインクルーシブ教育の定義が異なっているので修正するようにということと、普通学級で合理的配慮を提供する体制整備をしろとか、就学前に保護者に対して子どもが普通学級で学ぶための情報提供をしろとか、付き添いをなくすための体制整備をしろとか、今の体制でもできる提案を書きました。
(中略)
以下から意見入力できます。
ただし、一メールに一意見のみしか書いてはいけないと書いてあります。
(以下略)

以下に募集概要を少し転載。
新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議 報告(素案)に関する意見募集の実施について
―—――
                                          
令和2年11月25日
初等中等教育局特別支援教育課

文部科学省内に設置されている「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」において特別支援教育に関する議論がなされております。
つきましては、現在、新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議において議論を行っている「報告(素案)」について、意見募集を実施いたします。 

で、これを受けて、パブコメのむなしさを感じつつも、やはり書いてみた。それも7つも。
送った後だが、読み直して、変なところを少し修正している。

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最初の意見

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1,冒頭の以下の部分について

(我が国の特別支援教育に関する考え方)

○ 特別支援教育は、障害のある子供の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するとい う視点に立ち、子供一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上 の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うものである。また、特別 支援教育は、発達障害のある子供も含めて、障害により特別な支援を必要とする子供が在籍 する全ての学校において実施されるものである。

国連障害者権利条約の批准を受け、それを遵守する義務がある地域(含む日本国)では「子どもが在籍する全ての学校において実施されるものである」という部分を、「原則として全てインクルーシブな環境において実施されるものである」とする義務がある。


2つめ

以下の部分について

○ このため、障害の状態等に応じ、十分な教育を受けられるよう、小中学校の通常の学級で の指導方法等の工夫を含め、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校等において、特 別の教育課程、少人数の学級編制、特別な配慮の下に作成された教科書、専門的な知識・経 験のある教職員、障害に配慮した施設・設備などを活用した指導や支援が行われている

上記の記述は国連障害者権利条約の趣旨にそって、下記のように改めるべき
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○ このため、障害の状態等に応じ、十分な教育を受けられるよう、小中学校の通常の学級で の指導方法等の工夫を行うことが原則となる。必要に応じて、通常級において少人数の学級編制を可能とし、特別な配慮の下に作成された教科書がどの教科においても使用できるようにする。その教科書は紙媒体だけでなく、タブレットなどでの提供も可能とする。重要なことは、通常級ですべての障害者がインクルーシブに学べるよう、専門的な知識・経験のある教職員を育成することである。また、合理的配慮提供義務に応じて、すべての通常級で障害に配慮した施設・設備などを活用した指導や支援が行われるようにすべき。



3つめ

以下の部分について

○ 特別支援教育については、共生社会の形成に向けて、障害者の権利に関する条約に基づく インクルーシブ教育システムの理念を構築することを旨として行われることが重要であり、 また、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(以下「障害者差別解消法」という。) や、今般の高齢者・障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(以下「バリアフリー法」 という。)の改正も踏まえ、全ての子供たちが適切な教育を受けられる環境を整備することが 重要である。 インクルーシブ教育システムにおいては、障害のある子供と障害のない子供が可能な限り 同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、障害のある子供の自立と社会参加を見据え、一 人一人の教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できるよう、多様で柔軟な仕組みを整 備することが重要である。

上記の記述は国連障害者権利条約の趣旨にそって、下記のように改めるべき

~~~

○ 特別支援教育については、共生社会の形成に向けて、障害者の権利に関する条約に基づく インクルーシブ教育を構築することを旨として行われることが重要であり、 また、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(以下「障害者差別解消法」という。) や、今般の高齢者・障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(以下「バリアフリー法」 という。)の改正も踏まえ、全ての子どもが適切な教育を受けられるインクルーシブな環境を整備することが重要である。 インクルーシブ教育においては、すべての障害のある子どもと障害のない子どもが 同じ場で共に学ぶことを追求し、障害のある子どもの自立と社会参加を見据え、一 人一人の教育的ニーズに最も的確に応える指導を通常級で提供できる仕組みを整備することが重要である。

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4つめ

以下の部分について

(特別支援教育を巡る状況の変化)

○ 少子化により学齢期の児童生徒の数が減少する中、特別支援教育に関する理解や認識の高 まり、障害のある子供の就学先決定の仕組みに関する制度の改正等により、通常の学級に在 籍しながら通級による指導を受ける児童生徒が大きく増加している。また、特別支援学級・ 特別支援学校に在籍する児童生徒の数も増加している。 3 また、関連制度の改正や各学校・設置者の努力・創意工夫により、特別な支援を必要とする 子供の学びの場が充実するとともに、通級による指導や交流及び共同学習の充実等により、 それぞれの学びの場が柔軟で連続性を持ったものになりつつある。 

支援級や通級が増えているのは通常級での排除が進んでいるからではないか。その上で以下のように改めた。

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(特別支援教育を巡る状況の変化)

○ 少子化により学齢期の児童生徒の数が減少しているが、通常の学級に在籍しながら通級による指導を受ける児童生徒が大きく増加している。また、特別支援学級・ 特別支援学校に在籍する児童生徒の数も増加している。 なぜ、そのようになっているかと言えば、それぞれの分けられた場が整備されるなかで、通常級に居ることがさまざまな要因で阻害されているからではないかと考えられる。障害児が通常級にいることへの苦情は根強い。関連制度の改正や、特別な支援を必要とする 子どもの学びの場が分けられたところで拡充されることで、通常級での排除や差別が進行しているように思える。 

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5つめ

以下の部分について

(これからの特別支援教育の方向性) ○ 特別支援教育を巡る状況の変化も踏まえ、インクルーシブ教育システムの理念を構築し、 特別支援教育を進展させていくために、引き続き、 ①障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に教育を受けられる条件整備 ②障害のある子供の自立と社会参加を見据え、一人一人の教育的ニーズに最も的確に応える 指導を提供できるよう、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校とい った、連続性のある多様な学びの場の一層の充実・整備 を着実に進めていく。 

上記の記述は国連障害者権利条約の趣旨にそって、下記のように改めるべき

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(これからの特別支援教育の方向性) ○ 特別支援教育を巡る状況の変化も踏まえ、インクルーシブ教育を構築・進展させていくために、 ①障害のある子どもと障害のない子どもが共に教育を受けられる条件整備、とりわけ通常級でのインクルーシブな教育を行うための教員への教育の機会の提供が求められている。 ②障害のある子どもの自立と社会参加を見据え、一人一人の教育的ニーズに最も的確に応える 指導を通常級で提供できるよう通常級での多様な学びの方法の充実・整備 を着実に進めていく。

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6つめ

以下の部分について

○ 平成25年の学校教育法施行令の改正により、障害のある子供の就学先の決定に当たって は、市区町村教育委員会が保護者の意向や専門家の意見を踏まえて総合的に判断することと なっている。

これに以下を加えるべき。理由も文章中に書く。
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このように定められた結果、本人・親が希望する通常級での学びを拒否されるケースが散見される。しかし、国連障害者権利条約はインクルーシブ教育を求めている。なので、上記の体制を改め、原則はインクルーシブ教育であることを徹底し、教育委員会は専門家に対して、どのようにその子どもにインクルーシブな学びの場を提供できるかを検討させるべきである。


7つめ

以下の部分について

3.特別支援学校における教育環境の整備 

(制度、現状)

 ○ 特別支援学校では障害の重複の有無により学級編制がなされており、小学校等と比較すると手厚い教師の配置となっているが、センター的機能を効果的に発揮するためには、教職員 の数が不十分な場合もある。また、特別支援学校の在籍者の増加により、慢性的な教室不足 が続いており、その解消が急務である。

国連障害者権利条約が求めているのは支援校の拡充ではない。

なので、以下のように改めるべき
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3.特別支援教育における教育環境の整備

 (制度、現状、方向性)

 ○ 特別支援学校では障害の重複の有無により学級編制がなされており、小学校等と比較する と手厚い教師の配置となっているが、今後はこの資源をインクルーシブ教育を推進する方向で振り分けることが求められる。そのため、特別支援学校の在籍者の増加による支援校の慢性的な教室不足に関しては、インクルーシブ教育を本格的に推進すること、つまり、通常級での排除や差別的な扱いを徹底的になくし、通常級で本人が合理的な配慮を受けてインクルーシブに教育を受けることができるような体制を構築することで解消すべきである。


その7の2

上記の理由により

(特別支援学校の教室不足)

 ○ 特別支援学校の在籍者数の増加により慢性的な教室不足が続いており、令和元年5月1日 現在、全国の特別支援学校で 3,162 教室が不足している。特別支援学校の教室不足を解消す るため、国においては、令和2年度から6年度までを「集中取組期間」として設定するとと もに、特別支援学校の用に供する既存施設の改修事業について国庫補助の算定割合の引き上 げを行っている。各学校設置者には、「集中取組期間」において、特別支援学校の新設や増築 を行ったり、他の学校の余裕教室を特別支援学校の教室として確保したりする等の集中的な 施設整備の取組を進めることが求められる。

 (特別支援学校設置基準の策定)

 ○ 特別支援学校の教育環境を改善するため、国は特別支援学校に備えるべき施設等を定めた 設置基準を策定することが求められる。設置基準を策定する際には、特別支援学校の設置の 態様が様々であることも踏まえ、全ての特別支援学校に概ね共通する内容と個別に応じて配 慮が必要な内容を併せた、特別支援学校を設置するうえで必要な最低基準とすることが重要 である。また、現存する特別支援学校のうち基準を満たさない施設等が直ちに使用できなく なることがないよう、国は必要な手当てを講じつつ、設置者は可能な限り基準に適合させる ための措置を講じるよう努める必要がある。

この二つは削除し、インクルーシブ教育の推進で教室不足を解消するという方向で書き改めるべき。


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会議の報告書に意見を出すって、どうなのかと思いつつ、書いて出してみた。



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