意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドラインについての疑問(2021年追記、MLでもらったレスポンス転載)

以下、成年後見制度を見直す会のMLに書いたものをベースに

前提となる情報

意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドライン

意思決定支援等に係る各種ガイドラインの比較について

障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン

~~~
~~~
以下で呼ぶところの「ガイドライン」は
「意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドライン」を指しています。

~~~~

詳しい方に教えてほしいことがあります。

このところ、ガイドラインのことがいろいろ語られ、ガイドラインに関する研修なども実際に行われているようですが、
このガイドライン、どのような拘束力を持つのでしょう?
ガイドラインから外れた後見人は処罰されたり、後見を外されるということが可能になるのでしょうか?

また、裁判所自身が必要のない後見類型を指定して、補佐や補助でなんとかできる人の意思決定を奪っていないでしょうか?
そのあたりも、ガイドラインによって、見直されたりするのでしょうか?

邪推すると、背景に権利条約の審査があり、その審査に向けた形を作っているのではないかと疑われるのですが
このガイドライン策定の動きと権利条約の審査の連関を疑う証拠のようなものはないでしょうか?

ただ、他方でこのガイドラインがガンドライン通りにちゃんと後見業務を行う義務を後見人に課せば
後見はいまよりずっとましなものになるのも事実ではないでしょうか?

そこで、重要なのは、ガイドラインの拘束力と後見人を監視する仕組みになると思うのですが、
何か提案されているのでしょうか?

そして、上記の疑問に答えてくれるような資料はWEB上にないでしょうか


繰り返しになりますが、どなたか教えていただければ幸いです。

~~~~~

今後、情報がいただけたら、ここに書き足す予定です。

以下、見直す会のMLでもらった情報

知り合いの司法書士さんから
~~~
2月、新たに後見人として選任された件は、私自身を候補者として申し立て、そのとおり認められました。
選任されるにあたりガイドラインを遵守するかどうかについてなにか問われたりはしていません。
年1回の定期報告書類にも、ガイドラインにそって事務を行ったかどうか、に関する事項はないです。

ガイドライン策定前と策定後で、裁判所の考え方や取り扱いが変わったと感じられるようなものは、
ちょっと検索した限りでは見当たらない気がしますけれど、どうでしょうか。
~~

知り合いの桐原さんから
~~
事実関係のみ説明すると、

ガイドラインに拘束力はありません。
後見人による意思決定支援研修は、ガイドラインの趣旨に実効性を持たせる方策として実施されているです。
家庭裁判所が保有する後見人候補者名簿(?)に研修の受講状況を記載することでインセンティブにしようということになっています

政府は、条約審査対策の一環として、意思決定支援のシステム化に乗り出したのはその通りですが、そのこと自体は決して悪いことであると考える必要はないと思います。
いずれにせよ、厳しい勧告は免れませんし、条約がガン無視されていないことの証左であろうと思います。

これらの根本問題は、おおもと本体である民法改正なくして解決はできません。
我々の当面の目標は、民法改正になります。
~~~

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック