【「ピササポート」にもの申す!】の感想など

以下のようなオンラインセミナーに参加した。

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タイトル:「ピササポート」にもの申す!

http://www.sw.osakafu-u.ac.jp/~matsuda/topics/peersupport/

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以下は、たぶん、直後に書きなぐった感想

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具体的な現場に即した話が少ないように感じました。

山本さんは支援の現場とは関係ない立ち位置だし、ダルクや当事者だけの地活というのはまだまだ一般的ではありません。

多くのピアスタッフが普通の就労移行支援や就労継続B型、あるいはヘルパーとして働いています。

そのような人たちの思いや厳しさ、また彼らの力をちゃんと使えていない現状にもっと肉薄できるシンポジウムがあり得るはずだし、そうあって欲しいと思ったのでした。


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まず、感じたのは、すごく例外的な場所での話が多いなぁということでした。。

ダルクが当事者中心なのは当然だし、札幌で当事者だけで地活を立ち上げて運営しているという話も興味深かったのですが、多くのピアスタッフが普通の就労移行支援や就労継続B型、あるいはヘルパーとして働いています。

そのような人たちの思いや厳しさ、また彼らの力をちゃんと使えていない現状は徹底的に否定されていたのですが、

そんな現場で苦闘している人たちがたくさんいます。その人たちは何か存在を否定されたように感じたのではないでしょうか?


もちろん、ここで山本眞理さんがはっきり語ったような問題の数々を無視しろと言っているわけではありません。それはそれとして、俎上にあげる必要があり、そういう意味では、大切なシンポジウムだったと思います。


しかし、何か空論な感じもしたのです。いま、現場でピアサポとして苦闘している人たちに、もっと寄り添って、その位置に近いところから考察することが求められているのではないか、にもかかわらず、高名な活動家が何か高みから語られているようではないかと。


普通の就労支援の現場などで普通に働いているピアサポの人たちにもっと肉薄できるシンポジウムがあり得るはずだし、そうあって欲しいと思ったのでした。


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以下は、1か月くらい経過して書き足した感想

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そうそう、肝心なことを書いてなかった。

ぼくの職場にもいろんな障害者手帳を持った「ピアサポータ」がいる。

いっしょに働く困難を感じることもあるが、それって手帳を持ってるかどうかっていう話とはあまり関係がないのかもしれないとも思う。

ぼくは84年から福祉工場という、たくさんの障害者と対等に、いっしょに働く場で、労働組合とか含めて、いろんなことをいっしょに体験してきて、そのことの大切さを実感しているのだけど、やはり、その内実をちゃんと言語化できていないかもしれない、とも思う。

2012年、期限ぎりぎりで福祉工場という制度がなくなり、障害者自立支援法(現 総合支援法)に移って、印刷の現場では、いままでどおりに対等に働きながらも、制度としては、なんか対等ではなくなり、その上、その時にB型や就労移行も始めたので、ますます、支援・被支援という形が出てきた。

そんなことはありつつも、工場のスピリットとしては、「対等に」と言い続けてはいるものの、ひずみが大きくなりつつあり、そんな状況でぼくは、ひずむ現場から引き離されたのだが、どんどん、おかしな方向へ向かってるんじゃないかと思ったりする。


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ピアサポートに関する加算」について
さらに肝心なことを書き忘れていた。「ピアサポートに関する加算」という仕組みが今年度から始まったのだった。
制度については、以下に説明があったりするが、ここには厚労省の説明だけで、何の評価も加えられていない。

https://www.hokkaido-peersupport.net/post/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%82%B5%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E5%8A%A0%E7%AE%97%EF%BC%88%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81%EF%BC%89

以下には制度の説明がもう少し具体的に出ている。
https://shohgaisha.com/column/grown_up_detail?id=2023
(ヤフーニュースのリンクは切れてる)

ここにこんなことが書いてある。

ただ、同じマイノリティであればピアサポーターになれるという訳ではなく、ちゃんとした「お作法」が存在します。(中略)

その「お作法」を学ぶのが、本件の場合「障害者ピアサポーター研修」となります。「基礎」と「専門」をそれぞれ2日ずつ履修することになりますが、東京都内の大学キャンパスで1日7時間程度受けるスケジュールで社会人には厳しそうです。

この研修がどんな研修で、どこに行けば受けられるのか、どの研修を受ければ、それとして認められるようになるのか、ちょっと検索しただけではわからない。

千葉県のこんな研修を紹介するサイトがあった。
https://www.pref.chiba.lg.jp/shoji/kenshuu/peer/peersupport.html
令和2年の情報、ところで、令和2年って、いつだかわからない。調べた。2020年、去年の3月の制度が始まる前の研修。
厚労省、本気でやるつもりはないんじゃないかと思えてくる、研修の見つかりにくさ。

もっと探せば、何か出てくるのかもしれないが、新しくできた制度、中身もよくわからないし、厚労省もまったくやる気がなさそうにしか思えないような気がする。

つっこみどころだけは満載。

これじゃあ、いま、働いているピアサポーターもピアサポートを受けたい人も幸せになれないだろうな、としか思えない、そんな制度じゃないか?




以下は、その日、講師に飛ばした質問

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3人のパネリストと松田さんに質問。

大切なのはピアサーポーターと利用者という関係でなく、「ともに働く」「ともに対等なコミュニティのメンバー」という関係なのではないかと倉田さんや宮岸さん、山本さんの話を聞いていて感じました。


障害のあるなしに関係なく、 職場やコミュニティの中で、各々が 各々を共に支えあう、そんな関係が必要だと思うのですが、いまの日本の障害福祉の制度の中でそれを実現するのはとても困難です。 いまの制度は利用する人とサービスを提供する人をきっぱり分ける仕組みだからです。

そして、その現状の制度を無視することができればいいですが、そのようなことはなかなか実現できません。いまの制度の中で、どのように、その視点を組み込むかということが問われているように感じています。

それらについて、どのようにお考えでしょうか?

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直接返答はなかったと思う。聞き洩らしてるかもしれないけど。



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フェイスブックに知り合いが書いた感想と、そこからの登壇者たちのやりとりも興味深いものがあったのだけど、友人限定で公開できないのが残念。

(以下、備忘)自分用のグーグルドキュメントには保管した。

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