障害福祉サービス利用のための「計画相談支援」の課題。その質と量は?

昨日、ブログに直接、書いた「計画相談支援」の課題について、独立させて掲載。多少加筆。

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計画相談支援の質と量、これでいいのだろうかと感じることは多い。

まず、質について
 通所事業所で同じ事業所内に居を構える同一法人のもとにある相談支援事業所は、相談支援としてちゃんと機能しているのか疑問。すべての実態を知っているわけではないので、断定は出来ないが・・・。
 単純に思うのだが、同一法人の相談支援の職員が、その法人で行っている現状の支援の方向と異なる方法が必要だと感じ、また、当事者も違うことを望んだとき、それが法人の利益と反する場合に、指摘し、変更を実施出来るだろうか? さらに、通所施設が設置した相談支援事業所では相談支援員は通所施設の元スタッフである場合が多いんだが、通所施設のスタッフしか経験したことのない人が生活支援の制度について、どれだけ熟知するのは、かなり難しいと思う。そして、その相談支援従事者に学ぶ機会が保障されているだろうか。とりわけ兼任の場合、どうしても日常の業務にひっぱられたりしないだろうか?
 また、これは同一法人の相談支援ではないが、知的障害者の事業に来訪した計画相談員がの何回か分のモニタリングシートをまとめて作成して持ってきて、「どうせ変わらないので、まとめて署名してください」と言ったという話を伝聞で聞いたことがある。あくまで伝聞なので、多少、盛られているかもしれないが、もとになる話がなければ生まれない話だと思う。
 そのような計画相談のモニタリングは、福祉事務所に提出し、一応チェックを受けることになっていると思うのだが、チェックを受けて、書き直しを求められたという話をぼくは聞いたことがないのだが、福祉事務所に対するモニタリングの報告で書き直しを命じる例がどれくらいあるのだろう?
 これら、計画相談支援の質に関しては、受け付ける福祉事務所に、上がってくるモニタリングの報告を見極めるスタッフがいれば、相当に改善されるのではないかと思う? また、それをちゃんと実施するためには福祉事務所は、当事者のことをそれなりに知る必要があるのだが、どれだけ現状でその努力が行われているかもわからない。
 計画相談支援事業所としても、給付が十分あるとは言えない現状で、限界はあるだろう。障害福祉サービスは税金で成立するのだから、そこで行われるサービスが適正かどうか、見極めるための資料になり得ているかどうか、が問われるのだが、計画相談支援への給付や相談支援員の力量の問題もある。行政や福祉事務所は必要十分な計画相談が行えるように、相談支援員を育てるという視点も持つ必要があると思う。

そして量
 これが圧倒的に足りていない地域が多いのではないか? 少なくとも地元・大田区では足りないという話を聞くことが多い。福祉事務所で、ただリストを渡されて、上から電話していって、断られ続けて、心が折れたとかの話を聞く。そして、福祉事務所の意向でセルフプランを忌避し、いつまでもサービスの利用が出来ないこともあるらしい。このあたりは福祉事務所担当ワーカーによって、事情を勘案し便宜を図るワーカーもいれば、硬直的な対応しかできないこともあるらしい。話がそれたが、この量の問題に関しては、簡単に調査が出来そうだが、どの程度やられていて、その閣下を受けた対策が考えられているのだろう? 計画相談が見つからないので、必要な支援を受けられないというようなことは、本来、あってはならないはず。しかし、現にそのようなことはある。それをどう解決するかは大きな課題だと思う。

解決のために
 この質の問題も量の問題も解決するためには、それなりのお金や時間が必要になる。事業所に支給する給付を増やせば、参入しやすくなり、量の問題は解決するかもしれないが、いまのままお金だけ増やせば、計画相談が、より劣化する危険もあるだろう。計画相談の質を担保する仕組みを組み込んで、給付を増やすことを検討する必要があると思う。

 しっかりした相談支援事業者が見つかるまで、セルフプランを作成するのをサポートする仕組みがあってもいいと思う。仕組みとしてあるかどうかはわからないが、福祉事務所や障害福祉事業所のスタッフがサポートしてセルフプランを作成した例は少なくないはず。とりあえず、必要とする目の前にある障害福祉サービスについての必要性は事業所のスタッフもセルフプランをサポートできる。しかし、それ以外にその人が使えて、必要なサービスがあるかどうかを、例えば事業所のスタッフが勘案し、利用計画を作成するのは難しいので、そこは経験のある人に引き継がれる必要があるだろう。福祉事務所が認めるセルフプラン作成サポーターに費用を出して、とりあえずのセルフプランを増やしサービス利用を迅速に行えるようにすること。そして、モニタリングは相談支援事業者が行う、いなければ福祉事務所が代行するという仕組みも考えられるかもしれないと思った。

 以前、すごく制度に詳しい親が作成したセルフプランを見たことがある。それは事業者が作成するよりも質の高いものだった。福祉事務所側にそれを見極める力さえあれば、セルフプランはもっと活用されてもいいかもしれないが、福祉事務所の現状の人員でそれを求める困難もあると思う。
 
 ともあれ、現状は課題が多すぎるにもかかわらず、あまり制度をなんとかしようという声が聴こえてこないのだが、ぼくに聞こえていないだけだろうか?

追記
「サービス利用の計画を立てる」ことにどんな意味があるのだろう
 同時に気になるのは、「サービス利用の計画を立てる」ことの意味。オープンダイアローグでは「計画を立てない」「ノープランで」「提案をしない」と書かれているのを読んだことがある。確かに、サービス利用を前提としない相談のあり方というのも考える必要があると思う。ダイアローグのなかで本人が気づくことが必要。そのために、提案ではなく、リフレクションという手法がとられるのだろう。相談も1対1ではなく、複数で行えればいいのだろうが、そのための工夫も必要になるはず。相談支援がオープンダイアローグから学ぶべき話は少なくないと感じている。

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