原発政策転換に関するパブコメ(今日と明日が締め切りのもの)

政府は原発推進を再び推し進めようとしている。
言葉では福島の反省に立って、と言いながら、反対する人々の意見を一切聞こうとしていない姿勢はあいかわらずで、そのような姿勢こそが重大事故を引き起こしたという反省は一切感じられない。そこを中心に今日と明日が締め切りのパブコメをあわてて書いた。
パブコメに関する説明はグリーンピースのサイトにある

「原発を最大限活用」?あなたの意見を求めています。https://www.greenpeace.org/japan/campaigns/story/2023/01/13/61124/ がわかりやすい。

上記で紹介されている締め切りが過ぎた規制委員会のパブコメは送付済み





・今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)
に対して

【「安全神話」に陥って悲惨な事態を防ぐことができなかったという反省を一時たりとも忘れてはならない】とありますが、どのように反省されたのかが明確でありません。現在でも老朽化原発の危険は指摘され続けており、先日、そのパブコメも募集されていましたが、それは、運転期間を延長することを認めることに対するパブコメであるにもかかわらず、あたかも規制を強化するというような言説で説明されていました。規制委員会のそのような姿勢が、日本政府は反省していないことの証左であるように感じました。

また、福島の反省に立つとするのであれば、「原発推進は危険で反対。脱原発で進むべき」という反対する側の人の意見もしっかり聞いて、オープンな議論が前提にあって、しかるべきだと思うのですが、推進を認める人だけ集めて、このような計画を策定するという姿勢も、福島原発事故の教訓から何も学んでいないという印象をぬぐえません。まず、反対派の人の意見もちゃんと聞いて、オープンに議論を尽くすということから始めてください。そこで出された意見を公開し、多くの人が納得するような公開の場を作ってください。そのようなことをすっかり、抜かして、「福島の反省」を口にすべきではないと考えます.


・GX実現に向けた基本方針

 に対して

GX(グリーントランスフォメーション)とは、「化石燃料中心の経済・社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させ、経済社会システム全体の変革」とありますが、この内容で「今後 10 年を見据えたロードマップ」の案を考えるときに、「化石エネルギーへの過度な依存からの脱却」は当然ですが、そこに原子力を加えるという選択肢があることに驚きます。

ここにあるように、「原子力の利用に当たっては、事故への反省と教訓を 一時も忘れず、安全神話に陥ることなく安全性を最優先とすることが大前提」とするのであれば、なぜ、反対する人たちの声に耳を傾けることができなかったのか、ということが、考えられなければならないはずです。重大事故の危険性は多くの人が語っていたにもかかわらず、その声が届くことはありませんでした。

この計画の策定過程で、その過ちが、再び、繰り返されようとしています。

原子力の利用に反対する人の声が、聞き入れられていない計画になっています。

まず、そこから考え直すことが必要です。

そこで議論を反対する人の声も含んだ、できるだけ広範な人びとを巻き込んだ議論を尽くすという姿勢が求められています。そのような姿勢が「化石燃料中心の経済・社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させ、経済社会システム全体の変革」に求められているはずです。その議論のプロセスが「経済社会システム全体の変革」の必要性を多くの人々に伝えることに役立つはずだと考えます。

 

・原子力利用に関する基本的考え方(案)

に対して

福島原発事故の反省のもと「新たな原子力委員会では、原子力行政の民主的な運営を図るとの原点に立ち戻って、その運営を行ってきた」とありますが、そのようには見えません。福島原発事故の原因の一つとして、原子力政策に反対する人の声が聞き入れられなかったということがあると考えています。


相変わらず、現在の原子力政策は誤りだという意見に向き合うということがまったくなされいないような「原子力利用に関する基本的考え方」になっているように読めます。

反対する側の人を策定委員に加え、そこでの論点もしっかり議論し、それを広範な人を巻き込んで行う仕組みをビルドインすることが計画策定に求められているはずですが、そのようなことがなされた形跡を認めることが出来ませんでした。

このような姿勢が変わらない中で、福島の反省を踏まえているとは言えないと考えます。



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