『社会はこうやって変える!』メモ3(2章から3章途中)
その1
https://tu-ta.seesaa.net/article/202109article_1.html
その2
https://tu-ta.seesaa.net/article/202109article_5.html
その3
https://tu-ta.seesaa.net/article/202110article_9.html
第 2 章 自己利益こそが大切である
この章の冒頭では、ノッティンガム大学で行われたヘイトクライム委員会の報告会の模様が報告され、その運動によって、状況が改善した事例が描かれる。ヘイトクライムに対処し刑事訴追のあり方を改善することに責任を持つ専門的なヘイトクライム担当職員の配置という政策提案に市会議員が「はい、私たちはやります」と答え、警察署は女性嫌悪(ジェンダーを理由とする女性への暴力やハラスメント)をヘイトクライムとして認定することを認めた英国で最初の警察署になったとのこと。それまでも宗教や人種や障害者、同性愛者嫌悪へのヘイトクライムはそれとして認定されていたが女性憎悪は認められていたかっだという。
そして、自己利益が大切という話につながる。当事者が中心になって、社会を変えることのメリット、それが当事者の自己利益につながっているというのは理解できる。そして、差別されヘイトクライムの被害を受けていたさまざまな当事者が立ち上がり、地方の立法府や行政府を動かしたという物語も美しい。
しかし、そこで自己利益だけが強調されるべきなのだろうか? 自己利益だけがあるのではなく、その自己利益が社会全体を良い方向に動かすということと重なったときに人は、より積極的に動けるのではないか? 自己利益だけを強調するなら、社会全体が変わるのではなく、個人ですり抜けたほうがいい場合も少なくないと思うから。
そして、この章の結語として、以下のように書かれている。
あなたが変化を欲するならば、パワーが必要である。そして、あなたは、パワーを他者との関係性を通して作り上げるが、そうした関係性は、共通の自己利益や共通の目標を軸に作られる。パワーや自己利益といった言葉は耳障りが良くないかもしれない。しかし、このレンズを通して、私たちは、政治がどのように動いているのか、また、変化を引き起こすための手段が何かを知ることができるのだ。より深いレベルでは、私達と異なる人々との間でパワーを生み出す実践は、 偏見を壊し、信頼を作り上げることを意味している。意思決定者たちやパワーを持っている人々としっかりと交渉し始めると、 私たちは彼らも、大小の自己利益の組み合わせをもとに行為しており、彼らも、他のあらゆる人々と同程度に信頼し得ることに気づく。接触することのできないエリートに非難を投げかけるのではなく、私たちが欲するものを明らかにし、オーガナイジングを通してまとまって、欲しいものを得るためのパワーを作り出し責任は私たちにあるのだ。46p(強調文字、引用者)
ここにも少し書かれているが、ただの自己利益ではなく、大切なのは「共通の自己利益や共通の目標」なのだと思う。
そこはもう少し、強調したほうがいいのではないかと感じて、第2章のメモ、ここまで。
第 3 章 パワーを生み出す実用的なツール
ここで紹介されている実用的なツールは
①スティック・パーソン
②1対1の対話
③パワー分析
【スティック・パーソン】の説明は
https://note.com/hiyoko_wlb_0607/n/n39758a3e1c48
①あなたにとって最も重要な人々は誰か?
②あなたにとって最も重要な組織や場所は何か?
③あなたにとってあなたらしくさせる瞬間やストーリーは何か?
④あなたにとっての中核的な価値は何か?
⑤あなたにとって中心的な関心事は何か?
⑥あなたは、自分の時間、エネルギー、金銭をどのように使うのか?
⑦あなたが、もしパワーを持っていたとしたら、どのようなことを変えたいと思うか?
首長選挙とかで、この7つの質問をぶつけるっていうのもありなような気がしてきた。
で、これを人型に書き写していくという話。人型って何っていうのを説明するのが面倒だし、自分でも忘れそうなので本の写真を貼る。
これを書いて終えるのではなく、ここに書いたとおりに自分が動いているか、そこにエネルギーを使っているかを問いかえし、自分の自己利益を熟考する。
しかし、それだけでないという説明がある。
(これを)用いることで、あなたは共通の利益を基礎とした関係性を構築するために、一緒に活動したいと考えている人々を突き動かすものは何なのかを理解できるようになる。49p
他者についてのスティックパーソンを書いてみるということでもあるらしい。また、政策決定のキーパーソンのこれを書いてみて、責めどころを探すというのもありか。
②1対1の対話
ほんとうに他者を理解したいと思ったら、メールとかじゃなくて、また、大人数で話すのでもなく、ちゃんと面と向かって話すことが必要、という話だ。すべきこと、してはならないこと、という表が分かりやすい。
あたりまえの話だが、これは「パワーを生み出すツール」としての、1対1の対話の話。ついつい、それを忘れてこの表を見て、「目的なくお喋り」してもいいだろ、と思ってしまった。
しかし、この話し方のいくつかはオープンダイアローグでも言われるような話もあるが、これは1対1。
オープンダイアローグのことを考えると、1対1じゃないほうがいいのだろうと思う。
対話の作法をみんなが身に着けていればって話になるが、1対1でないことの良さがあるのではないか。しかし、複数の場合はパワーバランスには、複数の人を前に聞きたい人が話しやすいかどうかという課題はある。
同時に1対1のよさもあるかもしれない。
③パワー分析
引用
「でも、そんな対話をそんな対話を全ての人とするためにでかける時間はない。」確かに、そんな時間はないだろう。だから、誰との関係性を構築すべきなのか、どのようにパワーを作り出していくべきなのかという点について戦略的でなければならない。自分の時間を注ぎ込む価値のある変化とはどのようなものなのか明確に認識しておくべきである。すなわち、どのような変化が達成可能なのか、また、その意思決定に対して、どのように影響力を行使するのかといったことを明確にしておく必要がある。これらの問いについて考えることを助けてくれるツールがパワー分析だ。53p
~~
最も大事なことは、パワー分析が、あなたの既存の関係性を描き出し、どのようにあなたのパワーを築き上げ、あなたの求める変化を作り出すかということについて懸命に考える方法を提供するということにある。
したがって、最も重要なあなたが関係している組織かネットワークのパワー分析から始めるといい。・・(中略)・・。最初に、どこにパワーが存在するのか描き出すところから始めよう。
a)最もパワーを持っている5人は誰か。
b)お金を支配しているのは誰か。
c)人間関係において最も強い影響力を持つリーダーは誰か
d)意思決定は、実際には、どのようになされるのか
e)最上位の幹部は誰に対して説明責任を追っているのか
それから、自分自身の持っているパワーについて考えてみよう。
a)あなたは、公式的な意思決定のパワーを持っているか
b)あなたは、上で挙げた人たちを知っているか。彼らに対して、あなたは、どのような影響力を行使できるか
~~~
以下、c)、d)と続いていくのだが、メモするのが面倒になってきた。
とにかく、意思決定に影響力を持っている人を探り当てて、目的を達成するために、その人が影響力を行使できるようにもっていくという、ある意味、単純な話だ。
すごく中途半端だけど、メモはここで終わってる。続き、書けたら書く。
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