『まんが やってみたくなるOD』について、質問を出版社(医学書院)に送った。

前のブログ『相談支援における”支援者会議”とオープンダイアローグ」にも書いたのだが、これを書きながら湧いてきた疑問について出版社に質問を送った。わすれないように、ここに残すことにした。
以下

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『まんが やってみたくなるOD』について、質問があります。


本書で斎藤さんは以下のように書きます。
第2の柱 計画は立てない

 これも非常にラディカルな逆説で、とてもオープンダイアローグらしい原理です。オープンダイアローグの解説では「答えがない、不確かな状況に耐える」とよく言われますけれども、そんな行儀のよいものじゃない。本当はもっと過激な原理です。

 不確実性に耐えるとは具体的にどういうことか。「ノープランで臨め」ということです。いっさいプランを立ててはいけない。予測もしてはいけない。だからPDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act-cycle)みたいな発想はまったくない。ノープランで、ノー予測で、目の前の対話の過程にひたすら没頭する。これが基本姿勢になります。

 少なくともノープランという考え方は、あらゆる治療的立場に対立しますので、受け入れがたいと感じる人もいるかもしれません。だけど実際にそれでやるほうがうまくいくわけです。そもそも治療経過なんて、予測できないのが当たり前ですよね。「この人は再発もしないで1年経ったから、そろそろデイケア参加してもらって、順調だったら減薬しながら社会参加の方向を模索して……」みたいな直線的で連続的な予測がせいせいでしょう。67p
他方、ODのガイドラインでは以下のように書かれています。
リフレクティングとは、スタッフ同士が参加者の目の前で、話を聞いている際に心に浮かんだ考え、印象、感情、関連性について語ったり、今後の治療計画について相談したりすることです。
このようにODのガイドラインではリフレクティングで治療『計画』について語られるとあります。

リフレクティングで『計画』について語られるのに、ODは計画を立てないというこの微妙な関係が気になりました。リフレクティングで語られたその『計画』は本人が拒否することは出来るものの、基本的には受け入れることを前提に語られていると思うのですが、本人がそれを受け容れたとき、「ODは計画を立てない」ということができるかどうか、とても微妙だと思うのですが、ここをどう考えたらいいのかわからず、質問したくなりました。

ちなみに、以下のブログを書いているときに、その疑問が湧いてきたのでした。
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2023年07月28日
相談支援における”支援者会議”とオープンダイアローグ
https://tu-ta.seesaa.net/article/500160500.html
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この記事へのコメント

大阪より水野
2023年08月10日 13:54
ちょうどつい先日、同じマンガを読みました。
ノープランというのは、その対話の場に対するノープランだと解釈しました。何をどの順序で話して、何を聞き出すか、何を伝えるか、どういった結論に近づけるか、などプランをもって対話の場に臨まない、という意味かと。
リフレクティングで語られる計画は、もう少し長いスパンでの治療や支援などの計画のことを指しているのかな、と。
tu-ta
2023年08月11日 15:43
水野さん
コメントありがとうございます。
確かにそうですね。
ODの勉強会をやってた知り合いからも決めるミーティングをODは分けるという話を聞きました。