失語症者向け意思疎通支援事業の早期実現にむけて(パブコメのお願いなど)
(大田区高次脳機能障害支援者ネットでごいっしょしてます)
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失語症者向け意思疎通支援事業の早期実現にむけて
失語症者への支援にご協力いただける皆様へ
(大田区在住・在勤、あるいは大田区の障害者福祉に関心がある皆様へ)
大田区で言語聴覚士をしております、泊由美(とまりゆみ)と申します。
「失語症者向け意思疎通支援事業」について、皆様へお願いがございます。
「失語症者向け意思疎通支援事業」とは、失語症者の福祉に理解と熱意を有する方に失語症者とのコミュニケーション手法等の指導を行い、意思疎通支援者を養成し、失語症者の方の福祉向上を図ることを目的とした国の事業です。
平成25年の障害者総合支援法において、意思疎通を行う者のうち、特に専門性の高い者を養成し又は派遣する事業が、市区町村の必須事業となりました。
聴覚障がい者、視覚障がい者、盲ろう者向けの「手話通訳者」や「要約筆記者」などはこれまでも派遣されてきました。
その意思疎通支援事業の1つとして、「失語症者向け意思疎通支援者」の派遣も平成30年から養成が始まり、令和元年から派遣がスタートするはずでした。
しかし、今現在、東京都で派遣事業がスタートしているのは、多摩市、世田谷区、港区、練馬区などに限定されています。
大田区では、まだ何も始まっていません。
非常に残念です。
失語症=「言葉を失う」と表しますが、外見では分かりづらく、その不自由さを訴えることも難しいのが失語症です。
失語症の方の原職復帰は1割未満であり、身体障がいがあるとさらに移動や外出も困難です。
また、友人・知人とも疎遠になり、社会から孤立しがちです。
・会話を楽しめない
・家族とも話が通じない
・TVやドラマ、会話の内容が分からない
・失語症に対する社会理解が乏しい
わたしは、日頃、失語症の方と接する機会が多い現場におりますが、これまで、社会との繋がりを失ってしまう失語症の方々を多くみてきました。
失語症をもつ皆さんに、いきいきと社会参加をしてほしいと、心から願っています。
失語症当事者の方が、本当の意味で社会参加を果たす為には、日常コミュニケーション場面で失語症者の方々に寄り添う意思疎通支援者の存在が必要不可欠であり、早期に派遣事業がスタートすることが望まれます。
以下は、これまでの派遣モデル事業での実際の例です。
・失語症者の不動産情報の収集のために同行支援をし、賃貸契約の支援
・運転免許返納手続きのための同行支援
・会議、講演会等への同行と、要点筆記支援
・友の会参加のために公共交通機関を利用しての同行支援
・病院での診察・検査等に関する同行支援
・福祉サービスの利用に関する役所への同行支援
・日用品の買い物を支援する同行支援
(モデル事業ではありませんが、世田谷区では、区の予算で機能訓練事業所への見学、説明を受けるための会話支援、同行支援、要点筆記支援が実施されています。)
大田区で、派遣事業をスタートさせるには、コロナで中止となっている「失語症カフェ」の再開と、何よりも大切なのは、「当事者の皆さんの声」を区へ陳情することが必須と思われます。
さらに、「ひまわり会」の言語聴覚士の萱原さんより、とても重要な情報をいただきましたので、以下に一部抜粋して添付させていただきます。
以下
おおた障がい施策推進プラン(素案)(令和6‐8年度)に関して、大田区のHPでプランに対する意見公募を12月27日まで受け付けているそうです。
このプランの重点項目として「障がい者による情報の取得及び利用並びに意思疎通にかかる施策の推進」が載っていますが、内容としては従来通り「手話通訳・要約筆記」のみで、「失語症者向け意思疎通支援制度」に関しては記載がないそうです。
しかし、このプランに関して、大田区の区民個人として、意見(パブリックコメント)を提出できるそうです。
以上です。
これを読みますと、やはり、当事者(ご家族・関係者)の声があまり届いていない印象を受けます。
そこで、大田区在住で失語症者への支援にご協力いただける方へ、お願いです。
上記URLから、「失語症者向け意思疎通支援事業の早期実現の要望」として、意見の提出にご協力いただけますと、大変ありがたいです。
「おおた障がい施策推進プラン」に失語症当事者の声を反映させる為には、失語症の方の「声ならぬ声」を代弁する支援者が必要だと感じています。
皆様のご意見の数は、多ければ多いほどありがたく、お一人おひとりのご意見が、派遣事業開始を後押しする大きな原動力となると思います。
ご協力いただけるようでしたら、何卒、よろしくお願いいたします。期限は12月27日までです。
1月13日(土)、失語症者支援の会「ひまわり会」の例会の前に、サポートセンターの副施設長さん、居住支援部門の部門長さん、「ひまわり会」スタッフで、意思疎通支援事業について、意見交換をする場を設けることとなりました。
その場で、コミュニケーション場面で困っている失語症の方々の具体的な事例を共有し、最終的には失語症当事者の方々の声を書面にまとめていきたいと考えております。
2つ目のお願いです。
皆様の近くにいらっしゃる失語症当事者の方へ、普段、どのようなコミュニケーション場面で不自由さを感じるか、聴取していただき、そのお声を下記の泊のメールアドレスまで、送っていただけますでしょうか?
泊メールアドレス:
お願いばかりで、恐縮です。
長文で失礼いたしました。
年末が近づき、お忙しいところ申し訳ございません。
何卒、どうぞよろしくお願い申し上げます。
山王リハビリ・クリニック
言語聴覚士
泊由美
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